「PCを閉じていても Claude に毎朝プルリクをレビューさせたい」——そんな要望に正面から応えるのが、Claude Code に追加されたウェブ定期タスク(Web Scheduled Tasks)機能だ。2026年3月現在、Pro・Max・Team・Enterprise ユーザー全員が利用可能になっている。
なぜ重要か:自律エージェントが「常時稼働」になる
これまでも Claude Code には /loop コマンドや Desktop 版のスケジュール機能があったが、どちらも「自分のマシンが起動していること」が前提だった。今回のクラウドタスクは Anthropic のインフラ上で動作するため、マシンの電源状態に依存しない。公式ドキュメントが挙げる具体的なユースケースはこうだ。
- 毎朝オープン中の PR をまとめてレビューする
- 夜間に CI の失敗を解析してサマリーを作成する
- PR マージ後にドキュメントを自動同期する
- 毎週依存パッケージの脆弱性を監査する
いずれも「定期的にやるべきだが手が回らない」タスクばかりで、エンジニアの生産性向上に直結する。
3種類のスケジューリング方式を比較する
Claude Code には現在 3 つのスケジューリング手段がある。
| 方式 | 実行場所 | マシン電源 | ローカルファイルアクセス | 最小間隔 |
|---|---|---|---|---|
| クラウドタスク(今回) | Anthropic クラウド | 不要 | ✗(毎回クローン) | 1時間 |
| Desktop タスク | 自マシン | 必要 | ✓ | 1分 |
/loop | 自マシン | 必要 | ✓ | 1分 |
クラウドタスクはローカルファイルへのアクセスはできない代わりに、GitHub リポジトリをセッション開始時に自動クローンする。ローカルツールが不要な CI 監視・コードレビュー・ドキュメント生成といったタスクには最適だ。
タスクの作成方法:3つのエントリポイント
作成方法は以下の 3 通りが用意されている。
# CLIから作成(最も手軽)
/schedule daily PR review at 9am
# タスク一覧を確認
/schedule list
# 既存タスクを更新(カスタムcron式も設定可)
/schedule update
# 即時実行
/schedule run
Web UI からは claude.ai/code/scheduled にアクセスして New scheduled task をクリックするだけ。設定項目は次の通り。
- タスク名とプロンプト — プロンプトは「何をして、何が成功か」を自己完結的に記述する必要がある(自律実行のため)
- リポジトリ — GitHub リポジトリを 1 つ以上追加。デフォルトでは
claude/プレフィックスのブランチにしかプッシュできない(保護ブランチへの誤プッシュ防止) - 環境(Environment) — ネットワークアクセス範囲・環境変数(APIキーなど)・セットアップスクリプトを設定
- スケジュール — Hourly / Daily / Weekdays / Weekly から選択。カスタム間隔は
/schedule updateで cron 式を直接指定 - コネクタ(MCP) — Slack・Linear・Google Drive などの外部サービス連携。デフォルトで全コネクタが有効になるので、不要なものは外しておく
実用的なポイントと注意事項
- プロンプト設計が最重要:タスクは完全自律で動くため、曖昧な指示は予期せぬ動作を招く。「毎朝9時に
mainブランチの未マージ PR を取得し、各 PR に対してコードスタイルと論理的バグのレビューコメントを付けること。変更は行わないこと。」のように具体的に書く - ブランチ保護:デフォルトでは
claude/プレフィックスブランチのみ書き込み可。本番ブランチへの直接プッシュを許可する場合は「Allow unrestricted branch pushes」を明示的に有効化する - 実行タイミング:スケジュール時刻から数分遅れる場合がある(ドキュメントに明記あり)
- 各ランはセッションとして残る:実行結果は通常のセッションとして保存されるため、後からレビューや会話の継続が可能
まとめ:「寝ている間も働くエージェント」の現実
クラウドタスクの登場で、Claude Code は単なる「対話型 AI」からバックグラウンドで継続稼働するエージェントへと明確に進化した。特に OSS メンテナーやチームのリードエンジニアにとって、PR レビューや依存関係監査の自動化は即戦力になり得る。現時点では最小実行間隔が 1 時間と制約はあるが、用途を選べば十分に実用的だ。詳細な設定方法は公式ドキュメントで確認してほしい。