「複数のAIエージェントが連携して作業を分担する」という構成は理想論として語られることが多かったが、claude-peers-mcp を使えば同じPC上の複数の Claude Code セッションがリアルタイムでメッセージを送り合える環境が今すぐ手元で作れる。この記事では、セットアップ手順と Windows 特有のハマりどころを整理する。
claude-peers-mcp とは何か
louislva/claude-peers-mcp は、同一マシン上で動く複数の Claude Code セッションを「ピア」として相互発見・通信させる MCP(Model Context Protocol)サーバーだ。使えるツールは主に 4 つ:
list_peers— 現在稼働中のセッション一覧を取得(machine / directory / repo スコープ指定可)set_summary— 自分のセッションに名前(サマリー)をつけるsend_message— 指定ピアにメッセージを送信check_messages— 未読メッセージを手動確認
セッション同士は自然言語で依頼するだけでよく、裏側で MCP ツールが自動的に呼ばれる設計になっている。
セットアップ手順(Windows 版)
サーバーは Bun で動くため、まず Bun のインストールが必要。
# 1. Bun をインストール(PowerShell)
powershell -c "irm bun.sh/install.ps1|iex"
# インストール後は PowerShell を再起動して PATH を反映
bun --version
# 2. リポジトリをクローン
New-Item -ItemType Directory -Force C:\tools | Out-Null
cd C:\tools
git clone https://github.com/louislva/claude-peers-mcp.git
cd C:\tools\claude-peers-mcp
bun install
# 3. Bun のフルパスを確認(後で使う)
where bun
# → C:\Users\<username>\.bun\bin\bun.exe
Windows で MCP 登録が難しい理由と最終的な解決策
ここが最大のハマりポイント。README に書いてある方法はいずれも Windows では動かなかった:
claude mcp addコマンド → Bun の PATH が MCP サーバー起動プロセスに引き継がれずFailed to connectsettings.jsonに"command": "bun"で記述 → 認識されない~/.claude.jsonにフルパスで記述 →cwdオプションが効かない
動いた方法は ~/.claude.json のトップレベル mcpServers に cmd /c 経由でディレクトリ移動とBun起動を一行にまとめること:
"claude-peers": {
"type": "stdio",
"command": "cmd",
"args": [
"/c",
"cd /d C:\\tools\\claude-peers-mcp && C:\\Users\\<username>\\.bun\\bin\\bun.exe server.ts"
]
}
登録後は claude mcp list で claude-peers: bun ./server.ts - ✓ Connected と表示されれば成功。
実際に動かしてみる
Claude Code を 2 つの別ターミナルで起動する際は 開発チャネルフラグが必要:
claude --dangerously-load-development-channels server:claude-peers
起動後はそれぞれのセッションで set_summary を使って名前をつけておくと、list_peers 結果が格段に見やすくなる。あとは自然言語で ClaudeCode君(右画面)にご挨拶して と指示するだけで、もう一方のセッションに即座にメッセージが届き、自動的に返答が返ってくる。双方向の非同期通信が成立している。
なぜこれが面白いか
現時点では「同じPC上の2セッションが挨拶を交わす」レベルだが、スコープを repo や directory に絞れば「フロントエンド担当セッション」と「バックエンド担当セッション」が同一リポジトリ内で進捗を共有するという分業構成が自然に作れる。Claude Code v2.1.80 以上と claude.ai ログイン(APIキー認証は非対応)が前提なので、すでに普段使いしているユーザーなら追加コストはほぼゼロで試せる。マルチエージェント協調の「最小実験」として、触れておく価値は十分ある。